私はまだ魂を売ってはいない【世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方】

この記事は【世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方/著者:八木仁平】を読んだ経緯と感想です。

私は30代後半である。

もう中年と言っていいだろう。

この本を読んだということは、中年にもなって自分の「やりたいこと」がわからないのだ。

正直恥ずかしいことだと思う。

「やりたいことってどうやって見つけんるんだろう?」そう思った私は、とりあえずそれ系の本を読むことにした。

私が選んだ本は【世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方】という本だ。

とりあえず通読してみる。

結論を言おう。「やりたいこと」が見つかっていない人は、この本を絶対に読んだ方が良い。

この本はやりたいことを見つけるために、自分の「好きなこと」についてや「得意なこと」を理解していくことで最終的に「本当にやりたいこと」を見つけていくという内容になっている。

しかし、私は特に「得意なこと」に関しては全くパッと浮かんでこなかった。

それらを理解するための考え方や多数の質問が掲載されているわけだが、真っ先に感じたのは「あ〜、自分は全く何もない人間なんだな・・・」という感情である。

「恥ずかしい、情けない。」と感じながらも、「本当はこんなんじゃなかったんだけどな・・・」と自分で自分を憐んでしまった。

以前の私には「やりたいこと」があった。

「夢」があった。

そしてそれに向き合っていた。

私はずっと音楽をやってきていた。

ドラムの演奏だ。

しかし、4〜5年前に家庭の事情で地元へ帰ることになった。

家庭の事情といっても親の介護とかそういうことではない。

両親が新しい事業を始めるから、その手伝いをしてほしいということだった。

この話をすると、かなり長くなってしまうので、両親に振り回されて自分のやりたいことや夢を諦めることになったと思ってもらえればいい。

地元にいる間は音楽に触れて活動を続けていける状態ではなかったし、本意でなく地元に戻ったということとその場の環境もあって精神的にもかなりまいっていた。

結果的に2年半ほど地元にいたわけだが、2年半も楽器の演奏から全く離れることと、ミュージシャンとして30代前半から30代半ばまで音楽を離れることは、売れているミュージシャンなら別として私のような売れてもいないミュージシャンにとっては引退と同じになってしまう。

それでも「本当に好きなことであればまた復帰すれば良いじゃないか!?」という意見もあるかもしれないが、プレイヤーとして日々の練習も欠かさず本気でやってきた私としては「潔くやめよう」という決断に至った。

正直、当時の環境によってメンタルもだいぶ病んでいたので、音楽を復帰するという気力まではなかった。

唯一強く思っていたのは「この環境にいてはいけない。東京へ帰らないと。愛猫達を守っていかないと。」という気持ちだった。

この件に関して詳しく述べていないのでイメージしづらいと思うが、私の家柄というのはこういったことを思わせる家柄なのだ。

そういったわけで私には「音楽、ドラム」という選択肢はもう自分の中には全くない。

つまり、30代前半でまだまだ続ける気だった「やりたいこと」を失った。

正直私は、「やりたいこと」を見つけている人生を歩んできたので、「やりたいことが見つからない」「やりたいことが見つからずに人生を歩んできた」という人の気持ちはわからなかった。

「やりたいことの見つけ方」関連の本を書店で見かけても、そういった動画をYouTubeで発見しても見ることはなかったし、自分には無縁のものだと思っていた。

しかし、今ではこの悩みを抱えている人の気持ちがすごくよくわかる。

特に中年になってからこの気持ちを味わった自分としては「いや、本当に何も自分にはないのよ・・・」と、自分で自分に説明し自分で自分にひどく呆れた。

私のような境遇でなくても、「やりたいこと」が分からず・見つからず悩んでいる人は多いだろう。

高校生のあなた、どうだろう。

「何となく大学に進学し、在学中にやりたいことが見つかるだろう」と思っているのではないか。

まだ余裕を感じる。

大学生のあなた、どうだろう。

「とりあえず良さげな会社に就職して、やりたいことが見つかったら転職すればいいや」

「いやいや、新卒という肩書きは失うけれど、卒業してフリーターをやりながら色々なことを体験し触れ合えば1〜2年くらいでやりたいことが見つかるだろう」と思っているのではないか。

若干の不安はありつつも、若さというアドバンテージがあるので余裕を感じる。

若い社会人のあなた、どうだろう。

「やばい、入社したはいいもののこの会社にずっといようとは思えない。しかし、転職するにしても飛び抜けた能力もないし、やりたいこともない。」と思っているのではないか。

まだ若いので未来への可能性はあるんだろうけど、「経済的な自立の維持」「今までのような時間のなさ」という重い足枷を実感しているのではないか。

中年の社会人のあなた、どうだろう。

「もう年齢も年齢だし、昔のような活力もない。やりたいことをやれているわけでもないし、そもそも自分が何をやりたいか分からないけど、一般的なサラリーマンとして生きていくことを受け入れて割り切るしかない。周りの上司に相談してもみんな同じことを言いっていたしな・・・」と思っているのではないか。

中年にも年齢の幅があるので上記のような思いはまだ葛藤しているだけ魂を完全に売っているわけではないが、諦め葛藤すらもなくなり完全に今の職場と悪魔の契約を結んだ人もいるのではないか。

子育てをしている人のあなた、どうだろう。

進路に迷う中学生・高校生の子供に対して「勉強してとりあえず良い学校に行って良い大学に行けば、立派な会社に勤めることができる」と無責任なこと言っているのではないか。

「とにかく行動して色々なことを体験してみることだ」と、よくあるビジネス書に書いてあるようなことを言っているのではないか。

私は中年の社会人に当てはまる。

だが、私は魂を売っていない。

魂を売ることとは、好きでもない会社のやりたくもない仕事をこのまま続けていく人生を受け入れ、サラリーマンとはこういうものだ・仕事とはこういうものだと割り切れてしまった状態だと私は思っている。

もちろん、誰にだって生活はある。

「今の仕事にやりがいを感じてはいないし、やりたくない業務も多いけど、贅沢をしすぎなければ不自由なく暮らせる給料はもらえている。
仕事で足を引っ張っているようなことをしているわけでもないから、続けていけば昇進もしていくだろう。」

現状維持という安心。

そして、現状維持を続けいくからこそ、大なり小なりの昇進が待っているという淡い希望。

そのレールに乗るための切符を魂を売ることで手に入れる。

私は魂を売っていない。

だからこそこの本を読んだ。

やりたい仕事をしたいからだ。

やりたいことを仕事にしたいからだ。

読み進めていくうちに感じたことがある。

やりたいことが見つかっていない人は、この本に書かれている内容を知っていないとやりたいこを見つけることはほぼ不可能だろう。

世の中の一般的な考え方や一般的に受けるアドバイスでは、時間だけが過ぎていき最終的には魂を売って先ほどの切符を手に入れる道を選ぶことになる。

そして、「これが大人になるってことなんだ」「仕事をするってことなんだ」と自分を正当化し、同じ魂を売った人達と酒を飲みながら傷の舐め合いをすることになる。

「この本すごいな!?」と思いつつも私は「この本を読んでいなかったら・・・」とゾッともした。

そういった感情になるくらいこの本は、論理もしっかりと解説がされているし、やりたいことを見つけるためのワークも記載されている。

そう、ワークも記載されているのだ。

つまり、読んだだけではやりたいことを見つけるための論理を知るだけで、自分のやりたいことが見つかるわけではない。

ワークとしっかりと向き合わないといけない。

本書のワークというのは質問に答えていくことであり、自分の答えを提示していくことである。

パッと思いついた答えを求められる場合もあるが、過去の自分を思い出すということが必要になってくる。

「大事なこと(価値観)」を見つける、「得意なこと(才能)」を見つける、「やりたいこと(情熱)」を見つけるための質問が記載されている。

本文には抜粋した質問が掲載されているが、それに加えて巻末には各項目30個の質問が用意されている。

ここまでやってこそだと私は思う。

だから私はやった。

次回はこの本を読み、実際にワークをやってみてについて書いていきたいと思う。

最後に一言、「やりたいこと」を見つける第一歩はこの本を買うことだ。

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