ビジネス書との距離感がわかった【ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律】

この記事は【ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律/堀元見】を読んだ経緯と感想が書かれています。

私は、読書に関する動画を観るのが好きだ。

読書が好きということもあり、読書家の人がどんな本を普段読んでいるかや、どんな本の読み方をしているのか、どんな書店の周り方をしているのかを知れるからだ。

もちろん、本の感想や紹介を聞くことによって、自分が読む本の情報収集にもなっている。

以前から存在は知っていたが、最近よく観る読書系の動画の1つが「積読チャンネル」である。

積読チャンネル

このチャンネルの出演者の一人が、今回紹介する本の著者の堀元見さんである。

積読チャンネルを観ていて、彼の本の紹介や相方でありこのチャンネルの運営者でもある飯田光平さんとのやり取りが面白かったこともあり、「せっかくだから、彼のやっているnoteも読んでみよう」と思い、無料で読める記事を読んでみた。

彼の代名詞とも呼べる「ビジネス書を100冊読んで実行したら、駅でかぼちゃを食べさせられた。」という記事を始めて読んだのだが、これがかなり面白かった。

「ビジネス書を100冊読んで実行したら、駅でかぼちゃを食べさせられた。」

真面目さとネタ要素が上手く合わさっていて、かなり笑える記事だ。

そして、この記事が面白いということが今回紹介する「ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律」という本への良い導線になっている。

記事の方は「真面目にビジネス書に書いてあること実践したら、こんな目に遭いました」的な、キャッチーなお笑い要素がメインの作りになっている。

普通に爆笑した。

あくまで、この記事に登場する堀元さんは「ビジネス書をたくさん読んで実践すれば成功できる」と信じている青年という感じで描かれている。

しかし、この本では「過去にビジネス書を読んで実践し痛い目を見た堀元青年が、時を経て世の中に溢れるビジネス書に対して復讐をしていく」というような作りになっている。

終始、ビジネス書に書かれていることを馬鹿にしていくのだが、直接的には馬鹿にしていないが、この本を読んでいる読者の私たちが「こんな馬鹿なこと書いてるんだ、矛盾しているな、騙されてたわー」と気づくような作りになっている。

著者からは直接的には馬鹿にしないが、読んでいる私たちが結果的にビジネス書を馬鹿にする状態になっているので、結果的には「つまり、馬鹿にしている」ということになる。

しかし、言っておくがこの馬鹿にしているというのは良い意味での馬鹿にしているであり、世の中に溢れているビジネス書の馬鹿にするべきところを馬鹿にしているということである。

この本を執筆するにあたって、著者の堀元さんはビジネス書を100冊読みながら都度執筆に必要となる要素をスプレッドシートにまとめていくという作業動画を配信していた。

その映像をYouTubeで観ることができるが、良いものには良いとしっかりと言っており、一方的にビジネス書を馬鹿にしているわけではないのだ。

「ビジネス書を100冊読んで実行したら、駅でかぼちゃを食べさせられた。」という記事は、キャッチーなお笑い要素がメインとなっていると先ほど書いたが、この本は「悪いやつだな〜(笑)」と思わせるような良い意味での陰湿な笑いとなっている。

大人向けの笑いという感じだろうか。

しかし、この本をただのネタ要素の強い本と思ってはいけない。

正直、かなり学べることがある。

この本の中で槍玉に挙げられているようなビジネス書よりは、断然に学ぶことがある。

私もよくビジネス書は読むのだが、そんなビジネス書愛好家にとって気づくべき点は「ビジネス書を神格化しすぎている!」ということだ。

成功のノウハウが書かれており、実践すれば自分も成功できる。

成功できていないのは、自分の努力が足りないからだ。

もっとビジネス書を読もう!

と思ってしまいがちで、まるで神が書いた書物のように「書かれている内容に何の疑いも感じなくなっている」ところがあるのではないだろうか。

私も反省した。

そして、ハッと思いついたこともあった。

私は過去にミュージシャンをやっていてドラムを演奏していたのだが、私はプレイヤーとしてはかなり演奏技術を重視するタイプだった。

正直、音楽の世界では演奏が上手くなくても売れることはあるし、つまりは上手いから売れるわけでもないのだ。

売れている人でも演奏技術だけを見れば決して上手くない人はいるわけだが、そういった人が売れているという理由だけで演奏技術に特化した雑誌の取材を受けたり練習フレーズを掲載していたりすることもあるし、教則本やDVDまで出すことだってある。

そういったものを見た時に私は、明確に「この人はわかっている人で技術を磨くために正しい練習をしてきた人だ。この人はそんなに練習してきていないな。」ということを内容で判断することができた。

「売れているから=成功しているから」という理由で判断することはなかった。

しかし、初心者や未熟なプレイヤーからすれば、自分よりも技術もあって売れているのであれば「この人の言っていることは正しいことなんだ」と思ってしまう。

あなたよりは上手いかもしれないけど、全然上手くないからねこの人というミュージシャンを技術面でも神としてしまうのと一緒だと感じた。

この自身の経験との比較でかなり自分の中で腑に落ちた。

起業家にしろインフルエンサーにしろ成功した人が書いたビジネス書というのは、「これをやったから私は成功した。だからこれが聖杯だ。」と言っているにすぎない。

もしかしたら自分にもその取り組みがハマるかもしれないけど、ハマらない可能だって全然あるのだから。

他にも学べることがあり、それは「ツッコミをしながら読書をする感覚がわかった」ということだ。

岡田斗司夫さんが以前YouTube動画で「読書はツッコミをしながら読め」的なことを言っていたが、正直私は言葉の意味は理解できても体感として理解することができなかった。

【本を読む本/M.J.アドラー C.V.ドーレン】でも、

本を読むということは、一種の対話である。

とある。

私の場合、ビジネス書を読む際は「質疑応答のないセミナー」のような状態になっていた。

しかも、「お金を払ったんだから絶対に元を取る」という、貧乏性なのか真面目なのかわからない姿勢でだ。

加えて、ビジネス書というのは大抵何かしらの実績や肩書きがある人が書いているので、神と崇めているわけでもないのに何者でもない自分と比較すると神のような存在が書いた書物という感覚にいつの間にかなってしまっていた。

神を信じるものが、神の描いた書物に異議を唱えることはない。

「お金を払ったんだから絶対に元を取る」という、貧乏性なのか真面目なのかわからない姿勢のヤツが「これは無駄だだな」という発想にはならない。

つまり、言っていること全てを信じ批判することはない。

「これは自分ごときにはできないな〜」と思うことはあるが、あくまで「自分ごとき」と無意識のうちに下手に出ている。

こうなると次に思うのが「自分ごとにもできる内容が書いてあるビジネス書はないかな?」という発想であり、常に良いビジネス書を探しているビジネス書信者の完成である。

しかし、この本を読んで「こんなふうに馬鹿にして良いんだ!?」という感覚を得ることができた。

他者との対話で馬鹿にするというのはかなり過激な部類に入るが、馬鹿にすることがOKなら「それって違くない?」という言葉を投げかけるのは全然OKということになる。

この辺りの感覚はこの本を読んでも十分に感じられるが、ビジネス書を実際に100冊読んでいる状況を配信した堀元さんの動画を観ればより体感しやすいかと思う。

また、動画を観ていて学んだこともあり、それは「著者が何者なのかを確認することが面白い」と思えたことだ。

私は「読書をするのなら、より良い読書の方法を知りたい」と思い、過去に読書についての本を何冊か読んだことがある。

その中でよく書かれていたことは「本の帯を読め」「著者の紹介を読め」「目次を読め」である。

この中で一番自分の中でよく分からなかったのが「著者の紹介を読め」だ。

私としては本を書いているだけで凄い人だし、本を選ぶにしても評判(Amazonレビューなど)が良いものを選ぶ。

ましてや、有名な人であればそれだけで凄い人だし、私が知らなくても何かしらの経歴や結果を残している人は本文中でドヤってくるので自然と凄い人だということはわかる。

だったら、どうせ少なくとも私よりも凄い人が書いているのだから「著者の紹介」なんて読まなくで良くない?と思ってしまっていた。

今思うと、この発想もビジネス書の著者を無条件に神としていたことに繋がっている。

しかし、動画内の堀元さんは「何だよこの肩書き(笑)」であったり「あ〜、ちゃんとした人が書いてそうだね」とか「紹介文のほとんどがこれじゃん(笑)」的なことを言っており、著者の紹介を読むことによって本に書かれている内容の質を事前に予測していた。

もっと言うと「この編集者が作った本は大抵こういう感じになるんだよな〜」的なことも言っており、編集者や出版社を確認することも本の質を見極める術になるのだと感じさせられた。

これにより「著者の紹介文を読め」という教えの意味が理解できた。

最後に、何となく感じた学んだことを紹介しよう。

それは、「日本人の起業家やインフルエンサーの書いている本は微妙で、海外の著者や日本人でも研究者などが書いている本の方が有益な可能性が高い」ということだ。

もちろん、これが全てに当てはまることはないので選書や実際に読んでいく際に、過度なバイアスをかけるのは良くないと思うが一つの事実だろうとも思った。

総じて、この本を読んだことでかなり良かったのは、ビジネス書との適度な距離感がわかったということだ。

私は今後もビジネス書を読んではいくと思うが、今までのような盲目的な読み方や選書ではなく、もう少し距離を置いて冷静に読んでいきたいと思う。

これがわかっただけでも、今後の読書人生の質がかなり上がると感じている。

また、この本を読むにあたってこの記事でも紹介した堀元さんのnoteの記事と、YouTube動画も一緒に観るとより楽しめると思う。

まずはnote記事を読んで、その後に本を購入し読み進めながら疲れたらYouTubeを観るという感じにすると良いだろう。

「ビジネス書を100冊読んで実行したら、駅でかぼちゃを食べさせられた。」

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