アイアンレンジャーを履き始めてから約2年が過ぎましたので、その感想を書いていきます。
私は365日ブーツ生活で3足のブーツを日替わりで履いているということもあり、たくさん靴を持っているが故になかなか登板回数が少ない人の履き込みに比べると、かなり説得力や信憑性のある内容になっていると自負しています。
アイアンレンジャー8111に興味があるけど「どんな経年変化や履き心地になっていくんだろう?」と思っている方は是非読んでみてください。
1年経過の記事は下のリンクから読めますので、合わせて読んでみてください。
IRON RANGER (STYLE NO.8111)を1年履いてみて
どのように履いていたか
冒頭でも述べましたが、私は365日ブーツを履いています。
アイアンレンジャー8111、ベックマンフラットボックス9060、ブラックスミス3343の3足を日替わりのローテーションで履くというのが基本です。
1年目の時はまだアイアンレンジャーしかブーツを持っていなかったですが、ちょうどアイアンレンジャーが2年目になる頃に立て続けにフラットボックスとブラックスミスを購入したことで、2年目の1年間は上記の3足ローテーションを基本として履いていました。
アイアンレンジャーに関して1年目は雨の日は履くのを避けていましたが、2年目からは雨の日も防水スプレーをして履くようになりました。
雨の日に履くようになった理由としては2つあり、1つは「3足ローテーションなので雨の日を避けると登板回数が減ってしまうこと」2つ目に「そもそもワークブーツなのだからそこまで過保護にする必要はなく、しっかりとケアをしていけば雨の日に履くことはそれはそれでワークブーツらしいエイジングに繋がる」と思ったからです。
履いている時間と環境については基本的には仕事の際に履いており、且つ2年目の中で変化もありました。
2年目の2/3は「デスクワーク+立ち仕事」という環境で脱ぎ履きも多くブーツを脱いでいる時間もあったので1日の履いている時間としては約6〜8時間、残りの1/3から現在は完全デスクワークの仕事をしていて1日の履いている時間としては約11時間という感じです。
ちなみに、仕事が休みの日は「用がなければ外出しない!」という性格なので、基本的にはスーパーへ買い物へ行くくらいしか外出はせず、たまにそれ以外の用事で外出することもあるという程度です。
ケアの方法
ケアの方法は1日の履き終わりに、
靴裏の砂や土を化繊ブラシでのブラッシングで落とす。
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馬毛ブラシで表面のほこり落としを目的としたブラッシング。
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先ほどの馬毛ブラシよりもコシの強い馬毛ブラシで小傷や擦れ傷を消すように念入りにブラッシング。
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乾燥剤を靴中に入れる。
というのが日々のケアです。
クリームでのケアはブーツの状態を見て2年目に関しては3〜4回行いました。
使ったクリームは、サフィールノワールのナッパデリケートクリームとレノベイターで、だいたい交互に使っていました。
ホコリ落とし用の馬毛ブラシでホコリを落とす
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使い古したTシャツを適度な大きさに切り、それで水拭きをする
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クリームを塗る
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豚毛ブラシでブラッシング
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仕上げにいつも小傷や擦れ傷を消しているコシの強い馬毛ブラシでブラッシングする
という流れでのクリームケアです。
1年目は全くクリームを使いませんでしたが、雨の日にも履くようになったことで頻度がいくらか増えましたね。
見た目について
かなり深みのある見た目になっていると思います。
このアイアンレンジャー8111は「キレイなワークブーツ」をという方向性でケアしていますので、深みはあるが荒々しすぎないキレイな見た目に仕上がっています。
仕事も肉体労働ではないですし、アウトドアが趣味というわけでもないので、特に大きなダメージもない状態です。
ちなみに、雨の日にも履くようになったことで全体的な見た目の深みがより増したような気がしています。
履き心地について
私のフィット感という意味でのジャスト(足にピッタリフィットしている)は、8番ラストの場合「サイズ7」です。
これはフラットボックスとブラックスミスが「サイズ7」を履いているので、そう感じています。
つまり、このアイアンレンジャーは「サイズ7.5」なので、ハーフサイズ大きいものを履いていることになります。
しかし、「これもジャスト」と言えるサイズ感だと感じています。
「足にピッタリフィットしている」ということでは軍配は「サイズ7」に上がりますが、そこからハーフサイズ大きいものでも私の場合履いていて何か問題が発生するということはありません。
むしろハーフサイズ分の余裕があることでサイズ7よりも脱ぎ履きはしやすいですし、気温が高くなってきた時期ではサイズ7よりも涼しさを感じます。
「足にピッタリフィットしている」ということとは別要素で良い部分がありますので、結果的に「これもジャスト」と私は感じていますし、つまり履き心地は良いと言えます。
しかし、これはアインレンジャー8111だからこそハーフサイズ大きくても「これもジャスト」と思えたと感じています。
少しフラットボックスと比較して考えてみます。
フラットボックスも持っている私からすると、もしフラットボックスが「サイズ7」ではなくハーフサイズ大きい「サイズ7.5」であったとしたらまた違った感想になっていると思います。
フラットボックスはブラッククロンダイクという厚い塗膜に覆われた革を使用しているブーツです。
先芯がないことで履いていくうちにつま先部分が潰れてスマートな見た目になっていくことや、塗膜がだんだん剥がれていくとで茶芯が見えてくることなど様々な魅力があり人気なブーツですが、その反面「履き始めてからしばらくは苦行である」という話が多く出ます。
「厚い塗膜に覆われた革」ということはイコール「硬い革」ということになります。
それゆえに、「硬くて痛い」「靴擦れが発生する」「シワが入る部分が足に突き刺さってくる」といった現象が起こります。
しかし、私はフラットボックスに関してはピッタリフィットのジャストサイズである「サイズ7」で履いているために、上記のような苦行と言われている部分に関してはさほど問題にはなりませんでした。
もちろん、革が硬いとは感じましたがね。
では、これが私が「サイズ7.5」のハーフサイズ大きいものを履いていたらどうなっていたかを想定してみます。
ハーフサイズ大きいということはそれだけ靴の中で遊びができます。
それゆえに靴の中で足が動きます。
これにより靴擦れがおきていたでしょう。
またハーフサイズ大きいことによってシワの入る深さが深くなるため、親指爪の付け根付近をはじめとするシワが入りやすい部分のシワが足に突き刺さって痛みを感じていたでしょう。
では、ハーフサイズ大きい場合同じことがアイアンレンジャー8111でも起こるのかというと、私の場合は起こりませんでした。
それはアイアンレンジャー8111のアンバーハーネスという革が柔らかいからです。
つまり、ハーフサイズ大きいものを買っても、特に問題は起こらずこの項目の冒頭に挙げたようなハーフサイズ大きいことでの恩恵だけを受けることができます。
もちろん、ハーフサイズ大きいのでジャストサイズの「足と一体化している」ような感覚は得ることができませんけどね。
私がそうでしたが、試着をせずにネット購入を検討しており、且つサイズの見当はだいたいついているが候補が2つある場合(私は7と7.5でした)は、万が一小さい方を選んだがゆえに入らなかったという事態を避けるために大きい方を注文したとしても、ハーフサイズほどでしたら大きくてもアイアンレンジャー8111は特に問題なく履けるということです。
一言で言うと「良い靴」
2年履いて感じたことですが、「とにかく良い靴」です。
柔らかい革で履き心地は良いですし、私はピッタリのジャストよりもハーフサイズ大きいものを履いていますが、アイアンレンジャー8111の革質によりハーフサイズ大きいことでのデメリットは受けることなくメリットだけ得ています。
加えて、ケアの楽しさも感じることができます。
私はキレイな方向性でケアをしているので日々のブラッシングも念入りにやりますし、クリームでのケアもツヤの出るものも使っています。
これにより「ブラッシングだけでこんなに、古傷擦れ傷が消えるんだ!?」「ツヤの出るクリームを使うとこういうふうになるんだ!?」と楽しんでケアをすることができます。
もちろん、「そこまで念入りにケアをしたくない」という人でも日々のホコリ落とし程度のブラッシングだけしていても十分ですし、そういった場合は念入りにブラッシングをしているわけではないので小傷や擦れ傷は残ったままになることが多いですが、ワークブーツらしい荒々しい見た目に育ててもいけます。
別記事でも書きますがフラットボックスとブラックスミスはピッタリのジャストサイズの「サイズ7」で履いているため「足と一体化している感」が強いですが、アイアンレンジャーはハーフサイズ大きい分の遊びがあるので「靴を履いている感」があります。
そして、これまで挙げてきた利点もあるので「良い靴」というのが私の感想です。
アイアンレンジャー8111はピッタリのジャストサイズで足と「一体化」させても良いでしょうし、ハーフサイズ大きいことでの「良い靴感」を味わうのも良いと思います。
試着をせずにネットで購入する場合などシビアにサイズ選びができないシーンでも失敗しにくいですし、柔らかい皮で履きやすい。
ケアの方法も「軽め〜念入り」までどのスタイルでも良いですし、念入りにやった際の結果も感じやすくケアの楽しさも感じられます。
私はアイアンレンジャー8111を購入し本当に良かったと思っていますし、1番初めのブーツとして選んだことが何より良かったと思っています。